「インターミディエイター・ディ」は、有資格のインターミディエイターが集まり、共に学び合う場として毎月1回開催されているダイアログです。2024年4月には、参加者たちが自身の経験や近況を共有し、互いの活動から学びを深めました。
この日のキイ概念は、「エンパワリング」でした。
あいだを結び、あいだから新しい動きを起こしていく「インターミディエイター」にご関心のある皆様は、ぜひご参照ください。
▶ Intermediator Day 2024/04
Date: 2024/4/13 20:00-21:00
今回は、ダイアログでシェアされた情報を要約して、2024年3月のインサイト・レポートとして共有します。
◆「自己発見と対話の力」 中川桐子さん
“2018年から学びを始めましたが、最近、松原さんにインタビューを受けた。「インターミディエイター」という概念との出会いから、今までのことを、お話ししています。対話を通じて色々なものが引き出され、新たな発見がありました。”
参考情報:中川桐子さんのインタビュー記事
◆「共感のエコー」 和田善行さん
“先日公開されたインタビュー記事を周囲に共有。特に、LGBTQ活動関係者からの温かいフィードバックを受け取りました。「インターミディエイター」という、初めて聞く言葉が、橋渡し役としての活動の重要性を再認識するきかっけとなったとメッセージがあった。それにより、自身がさらなる活動への意欲を高めることとなった。”
“いぶき福祉会の新しい協働の場づくりが進んでいる。クラウド・ファンディングは、275人の方に参加いただき、300万円以上のご支援をいただいた。御礼申し上げます。”
参考情報:和田善行さんのインタビュー記事
◆ 「対話と成長」 平田直大さん
“有資格者が毎年更新する際に実施する個別対話の評価委員を担当したが、桐子さんの成長に感銘を受けた。また、和田さん、優さん、上杉さんとの対話が、学びに満ちた時間であった。“
“もうひとつ、廃校を利用して宿泊施設やコワーキングスペースとして運営していている場がある。今後は自身も積極的に関わっていく予定で、新たな取り組みとして、稼働していないレンタル・オフィスのスペース活用方法を模索中。施設の活性化は計画段階だが、いぶき福祉会さんではじめる「ねこの約束 第2章」(新しい協働の場をスタートする件)の取り組みは、参考になるだろう”
参考情報:平田さんインタビュー記事
◆「変化のペース」 伊藤優さん
“個別対話が印象的だった。特に、評価委員からの異なる視点のコメントが、自身の考えを深める機会となった。また、設樂剛先生からいただいた言葉について、「少しずつゆっくりでも変化する」。ゆっくりでもいい、というところが、自分の中で希望の灯がともる言葉としていただいた”
◆「新たな発見と学びの実践」 上杉公志さん
“伊藤さん同様に、最近の出来事としては、評価委員との個別対話が印象深く、今回の対話を通じて得られたフィードバックを反芻することで自己変化を経験しつつある。インターミディエイターとしてのあり方について、さらに考えを深め、新たな発見も得られた。”
“鈴木さんの活動のひとつ「刑務所アート展」にも足を運び、実践からも学ぶ機会を自らつくって、マインドセットの理解と実践につとめてみた”
参考情報:
◆「受刑者と社会の、開かれた新たな関係」 鈴木悠平さん
“刑務所アート展は、3月末に500人以上の来場者を迎え、予想以上の反響が得られた。多数のコメントを受け、それらを受刑者やクラウド・ファンディングの支援者へフィードバックとして活用、次の活動への準備を進めている。コミュニケーションの障壁を乗り越え、受刑者一人一人をエンパワリングする方法を模索しているが、来場者や審査員の意図、作品の背景を伝えることで、物理的な距離があっても、相互のエンパワメントを実現するための工夫をしている。”
“評価委員として個別対話に参加したことについては、今年は評価委員の側では新しく次の展開を引き出すような問いをつくり、問いかけることを心がけた。その結果、一人ひとりと有意義な対話の時間になった。”
◆「プロジェクトを展開した“エンパワリング”の実践」 浅倉彩さん
“沖縄での編集者としての活動を通じて、「エンパワリング」の重要性を実感し、プロジェクトの危機的状況を乗り越えらたことがあった。悩ましくなったときに、インターミディエイター講座の資料をふと見返し、課題解決に役立った。”
その後、”エンパワリングを意識した後、プロジェクト・メンバーに対してどのように語りかけ方を変えてみたのか?”、”プロジェクト・メンバーのやりたいことを聞き出すこと、尊重が基礎であり大事なことで、それらを感じられる伝え方になっているのか?”など、浅倉さんが提供した近況情報について、他の皆さんからいろいろな角度からの問いが寄せられました。沖縄・奄美を結ぶ観光プロジェクトをケースとして、より具体的な所作やマインドセットを考察し、インターミディエイター的な思考を点検する機会となりました。
最後は、今回の話題の発端を提供した浅倉さんから、まとめのコメントをいただきました。
那覇で新たなスペースを創造する可能性について語った浅倉さんは、インターミディエイターとしての学びを、人々を分け隔てることなく、“共にある場”をつくることに反映していきたい。新しい場に必要不可欠な要素として、その場にいる人々と共に成長し、学びを深めることの重要性を強調したい、とコメントを寄せました。そして、今日のダイアログで得られた学びを次に活かすことへの期待を述べて、1時間の定例ダイアログを締めくくります。
「今日も次に向けての素晴らしい学びが得られました。」
この前向きなコメントが、「インターミディエイター・ディ」の在り方を象徴しており、参加者たちが互いに学び合い、共に成長することの価値を再確認させる機会となりました。
▶併せて読みたいインターミディエイター関連レポート
●【動画でわかる】インターミディエイター講座2024 ダイアログ&事前説明会(YouTube)
Intermediator Day インサイト・レポート:
●2024/04:プロジェクトを展開した“エンパワリング”の実践(現在の記事)
●2024/03:多様性・複雑性を許容するための心がけ
●2024/02:「エンゲイジメント」(参加・関与)を高めるアプローチ
●2024/01:良質な「場」をつくるには?
●2023/09:「対話」とは何か?
●2023/08:「エンパワリング」な場をつくる人々
●2023/03:「多様性が許容される社会」って?
●2023/02:社内の「分断」どう対応しますか?
●2023/01:"上下"ではない「対話の文化」を社内につくるには?
執筆:松原朋子
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