会員制SNSサービス「バザールバザール」と2つの未来シナリオ

最終更新: 2018年11月30日

星野晃一郎 株式会社ダンクソフト代表取締役


#インターネット #信頼 #連帯 #デジタル #コミュニティ #価値 #いちづくり #バザールバザール #ダンクソフト #星野晃一郎

信頼できるインターネット・コミュニティが必要だ

 日本には中小企業が100万社以上あり、30年以上継続する確率は0.0125%だといいます。「モノづくり」を超えて、付加価値をどう産み出していくかという具体的な方法論の議論には至っていません。多くの経済団体も古い価値観にとらわれて、新たなイノベーションが起こりにくい環境になっているというのが現状です。経営者こそがチャレンジ精神をもつべきです。そして、インターネットで他者と連帯し、多様なメンバーで対話する機会を増やすこと。それこそが、時代を切り拓き、日本活性化の原動力となることはいうまでもありません。また、会員組織の運営事務局が事務処理に追われ、顧客満足度向上の機会が無いことも大きな課題です。代替システムやツール、会員による自主運営も視野に入れたデジタル化が求められていました。

 私は、「市(いち)」づくりをテーマにメディア・ミックス番組を始めて以降、いろいろな人々の出会うリアルな場づくりを進めてきました。そして、インターネット上でも、同様の「市(bazaar)」のような場がつくれないかと考えるようになりました。いま、インターネットは何でもありの無法地帯です。自由はあるかもしれませんが、フェイクニュースやプライバシー侵害をはじめ、多くの危険もつきまといます。インターネット上で、安心・安全に人が出会い、信頼できる環境で対話ができる仕組みを提供できないか。ちょうどうそう考えていたタイミングで、日本ニュービジネス協議会連合会の池田弘会長から、「全国の協議会を結ぶ仕組みを作りたい」という要請を受けました。そこで、全国の協議会が個々の会員システムを持ち、相互にも情報交換できるクラウドサービスを実現しました。


 こうして生まれたのが、クラウド型の会員制SNSサービス「ダンクソフト バザールバザール」です。会員組織が効率よく運営できるのはもちろん、最大のねらいは、会員どうしの交流が活発になること、関係が活性化・深化すること、それにより新たな創発が生まれること。それが可能になる環境を提供することが、このサービスのフィロソフィーです。ある意味、インターミディエイター的な役割をクラウドサービスが果たすものなのかもしれません。


2つのありうる未来ストーリー

 では、この「バザールバザール」があることで、どんな未来が拓けるのでしょうか。今後、日本がどのような時代を経験するのかを私なりに想定したうえで、「バザールバザールのある未来」と「ない未来」、それぞれを選択した場合の2つの未来ストーリーを提示します。


 今後のリスク想定については、日本が災害大国であること、想定外の危機が必ず起こるということ、誰かに都合の悪い事実は報道されないことがあることをふまえて考えました。とくに私自身が考えさせられた「戦中戦後の四大地震」(※)は、看過してはならない教訓だと思います。

※1943年9月10日の鳥取地震(M7.2)、1944年12月7日の東南海地震(M8.0)、1945年1月13日の三河地震(M6.8)、1946年12月21日の南海地震(M8.1)


【リスク想定:日本各地で大地震が続発する】

 災害大国、日本。2020年、2021年、2022年、2023年の4年にわたって日本各地で大地震が起こり、毎年多くの死傷者が出ることもありえます。北海道、本州、四国、九州・沖縄、全国どこで起こってもおかしくないのが現状です。



未来ストーリー ①

[2018年8月のままの日本の物語り]

社会問題の深刻化と長引く災害復旧


 2020年、東京オリンピック閉幕。東京への一極集中は解消できず、サマータイム導入に失敗する。猛暑のオリンピックは、台風、ゲリラ豪雨などの異常気象も重なり、死傷者こそなかったものの、都市部開催のさまざまな課題を露呈して閉幕となる。レガシーになると期待されていたエポックメイキングなイベントにはならず、働き方改革、地方創生もかけ声倒れに終わり、少子高齢化、労働生産性の低い働き方などの課題が一気に噴出してくる。


 “通信=コミュニケーション”が浸透していない日本では、電話やインターネットなどの通信が多重化されていない。東日本大震災以降、東北地方でも通信インフラの重要性に基づいて予算化措置が取られたものの地元の理解は得られず、多くの自治体は分散化せず、BCP対策(事業継続対策:災害や事故など予期せぬトラブルの際にも事業を継続させるための対応策)がなされないままになっている。


 このため、2020年から23年にかけて、地震が起こるたびに通信網が寸断されて状況把握が大幅に遅れ、結果として必要な物資が必要な場所に届かず、物流も混乱する。東京でもBCP対策を行っている企業は6%程度。各地方ではさらに対策は遅れていたため、復旧の歩みは遅く、さらに追い打ちをかけるように中部地方でも地震が起こり、自動車産業を中心に日本経済に大打撃を与えた。


 BCPは連鎖する。そのため、関連企業全体が“ネット連帯”しながら素早いリカバリーをすることが求められていたが、その環境は整っていなかった。リスク対策の不足がまねいた結果だった。



未来ストーリー②

[情報ネット連帯が全国に展開した日本の物語り]

デジタル化とネットワーク化が日本を救う


 2017年11月、ダンクソフトのエコペーパーレス・オフィスを、日本商工会議所メンバーが視察した。その後、ペーパーレス&テレワークを取り入れた働きやすい環境整備と、BCPにも有効な会員メンバー全体のデジタル・ネットワーク化(「バザールバザール」導入)に向けてスタートを切った。


 「バザールバザール」の重要な機能に<会>と<会>を結ぶ「JNG情報ネット連帯」(JNG : Japan Networking Group) がある。双方の会に属して、それぞれのメリット、デメリットを知っている会員が、双方の関係をうまく結んで機能アップを図ることができる。


 この流れが進展し、すでにバザールバザールのメンバーだった日本ニュービジネス協議会連合会東京を皮切りに、47都道府県の各協議会へとネット連帯が進む。さらに、東京日本ニュービジネス協議会と日本青年会議所(JC)の両方に所属するメンバーが多かった関係から、ここに東京JCもつながる。また「JNG情報ネット連帯」機能により、<JC>、<ヤング・プレジデンツ・オーガニゼーション(YPO)>などの経済団体が、リアルに出会いながら、バーチャルでも情報交換し、社会の課題解決のイノベーションを促進するグループとして良い関係を深めていく。


 2020年からの4連続大地震に際しても、「JNG情報ネット連帯」が機能する。通信インフラが多重化して重要性も浸透していたおかげで、およそ3日間ですべてのコミュニケーション網が復旧。各地の災害情報がリアルタイムで詳細にシェアできる環境に。必要な物資が瞬時にデータベースに表示され、一つひとつにそれぞれ全国の会員ボランティアが対応して調達がスタートする。倉庫業協会、トラック協会など、物流メンバーもきめ細やかに、かつ速やかに、必要な場所に届けてくれる。各会員企業のレジリエンスも見事。デジタル化、クラウド化が進んでいるため、電源、ネットワークさえあれば、家庭でもサテライトオフィスでも遠隔地でも業務ができる。さらに「バザールバザール」など共通したデジタルサービスを全会員が利用しているので、代替え要員の配置も容易で、2週間程度で日本全体のビジネスが復旧していく。



「会員PAULのデジタルな一日」

 微細螺子加工で世界をリードする企業のオーナーPAUL氏は、通勤途中の自動運転車の中で、今日開催される全国の連帯ネットによるイベントリストを スマートウォッチで確認する。右目でスマート・グラスをウィンクすると、リスト一覧がレンズに映る。


 「福岡でのアジアネット連帯セミナーもおもしろそうだし、大阪の豊中ではIOT活用セミナー、徳島では集落再生の事例紹介、静岡ではAIセミナーがある。北海道夕張市の地方再生ビジネス・バザールツアー報告会も儲かりそうで目が離せない。さて、どうするか」


 考えた末、バザールバザールWEB会議システムで、福岡のセミナーをリモート受講するチェックをつける。 参加者リストを見ると東京の友人Robertoも参加するらしい。

「会議の前後に、協働開発サービスのマーケティング・プランの打ち合わせでもしてみようか?」



活動分野: 日本のビジネスメンバーをデジタル・ネットワークで結ぶ

発揮したインターミディエイターのマインドセット:

☑3分法思考/多元的思考

☑エンパシー能力

☑多様性・複雑性の許容

☑エンゲイジメント能力

☑エンパワリング能力

☑対話能力

☑物語り能力


Certified Intermediator


星野 晃一郎

株式会社ダンクソフト

代表取締役

1956年日本橋生まれ。1982年より独学でプログラミングを学ぶ。1986年9月株式会社デュアルシステム(現ダンクソフト)代表取締役 就任、1986年10月に(社)東京ニュービジネス協議会へ入会し、長年理事を務める。1987年 特種情報処理技術者取得 OS,通信ネットワーク、セキュリティー、DB、AIなどオールマイティーなエンジニア。2011年7月(社)エコ・ペーパーレス協議会設立、代表理事。経済産業省、厚生労働省、総務省等より受賞多数。

その他、総務省 地域情報化アドバイザー、日本パエリア協会 理事、中央エフエム 社外取締役・パーソナリティーなどをつとめる。


http://www.dunksoft.com

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13605

   労働時間が短ければいいの?

https://fledge.jp/article/dunksoft-1

   新しい働き方をインテグレートする、サテライトオフィスの在り方

http://kobemd.com/movie/movie0011/

   神戸モトマチ大学 エコペーパーレスの実現



Editor

福田 容子

「インターミディエイター」は設樂剛事務所の登録商標です

©  SHIDARA & ARCHIPELAGOs  2015

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