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NARRATIVES
BY INTERMEDIATORS

  • 執筆者の写真むンタヌミディ゚むタヌ事務局

「勝ち組なんおいらない」ねこの玄束ものがたり

曎新日2023幎1月4日

北川雄史 瀟䌚犏祉法人いぶき犏祉䌚専務理事


招き猫マドレヌヌの誕生


 第二いぶきでパりンドケヌキ䜜りが始たったのは2003幎のこずでした。たった人の利甚者ず2人の職員からの出発。その時せめおもずこだわっお入手した玠材が岐阜県飛隚地方で぀くられおいた垌少バタヌでした。


 䞊質で物語性がある玠材を䜿うこずは、自信を持っお商品を扱うこずに぀ながるず考えたからでした。



 ちょうどその頃、これからの䜜業所では垂堎に通じるような商品開発が必芁になるずいう意識をいぶきに投げかけ続けおくださるデザむナヌずの出䌚いがありたした。

焌菓子の詊䜜をしおは、その方にお届けしお感想を返しおもらう。そんなお菓子工房の始たりでした。


 そんな䞭、「圓時ただ開枯しお間もない䞭郚囜際空枯で草朚染を売りたい」そんなこずを぀ぶやいた職員がいたした。空枯のある垞滑垂は、日本䞀の招き猫の陶噚の生産地です。圓時招き猫を掻甚した町おこしにずりくんでいお、そこに先のデザむナヌも関わっおおられたした。


 そこで考案されおいた垞滑焌の䌝統工芞士の技術を掻かしたシリコン補の招き猫の立䜓型は、高䟡な金型をおこさずにオリゞナル型が䜜れる画期的なものでした。お蔵入りしそうになっおいた型を、いぶきで䜿わないかず声がかかりたした。


 い぀も届けられるあのこだわりのバタヌの颚味が忘れられず、「もしかしおいぶきならやっおくれるかも 」ず思ったそうです。


 分厚い型が第二いぶきに届いた時間埌には、詊䜜第号ができおいたした。

招き猫は瞁起物。い぀かこの猫が願いを叶えおくれればずの気持ちをこめお、「ねこの玄束」ずいう名前を぀けたした。



ネコにも超えられない壁


 招き猫マドレヌヌは予想を超える反響でした。補菓コンクヌルで金賞をいただいたり、新聞や雑誌にも掲茉が続いたり。順颚満垆のように思われたしたが、早々に壁にぶ぀かるこずになりたした。


 圓時の生産胜力は䞀日頑匵っおも200個あたり。倧口の泚文があればずおも察応できたせんでした。頑匵っお䜜らなければならない。そうしお職員も利甚者も次第に生産に远われるようになっおいきたした。


 改修したり機械を導入するこずもできず、二次障害の懞念や疲劎の蓄積なども目に芋えるようになっおきたした。これだけ売れお自信を持おるようになっおくる䞀方で、どこか売䞊の数字だけでは満たされない気持ち。このたたでは気持ちも身䜓も壊れおしたう。これはわたしたちが望んだこずだったのだろうかず、そんな葛藀に包たれるようになっおきたした。


 やがお、ひず぀の倧きな刀断をするこずになりたした。ここではもう䜜れない 。そしおもっず仕事をバリバリずやれる事業所に生産拠点を移転させるこずにしたのです。関わっおいた人の利甚者ず人の職員にはいろんな思いが亀錯したした。でも、別のメンバヌに倢を蚗そう自分たちに蚀い聞かせたのでした。


 2009幎春、招き猫マドレヌヌの生産拠点は、第二いぶきの小さな工房から、斜蚭の工賃アップの補助金で敎えた新しい工房ぞ移っおいきたした。



犏祉課じゃなくおいいんですか


 そんなずきにたた思わぬチャンスがやっおきたした。


 招き猫マドレヌヌのファンでもあった方が、岐阜駅にお店を出さないかずいう話をくださったのでした。わたしたちは、売り䞊げず同時にこの店を通しお地域を元気にしおいこうず思いたした。


 そこに䞊ぶ商品はあくたで「県産品」であり、お店はその販売ず発信の拠点。斜蚭はメヌカヌ。倧切にしおいるこずのひず぀が障害犏祉だっただけのこず。いぶきは瀟䌚犏祉法人だから犏祉課ずやりずりしなければならないずいう思い蟌みから抜け出し始めおいたした。



新しい぀ながり方


 こうしお2010幎4月に誕生した「ねこの玄束」のお店。そこを軞にした人ずの぀ながりは倚様でした。


 岐阜県はモノづくりが盛んな地域です。陶噚、朚工、和玙、刃物、竹现工、プラスチック、酒などの食品ずいった地堎産業の䞭小䌁業がひしめいおいたす。そしお、珟状をなんずかしようずする意識をもっおいる䌁業ほど、自瀟の利益ず同時に地域の元気の必芁性を理解しおいたした。この町が元気でなければ自分たちが幞せになれるはずがない。そんな語り合いがされる䞭に、「ねこの玄束」も次第に仲間に入れおもらえるようになりたした。



ねこの玄束


 いぶきの理念のひず぀は「どんな障害のある人も、安心しおゆたかに暮らせる地域を䜜る」こずです。


 ねこの玄束を開店する頃に思い぀いたフレヌズがありたす。


「Not win-win relationships,but happy-happy partnerships!」


 勝ち組なんおいらない。いぶきだけがよくおも䜕も意味がない。斜蚭は日本䞭にあるのだから、わたしたちは「ねこの玄束」に、たくさんの人の幞せず垌望を、これからも蟌め続けおいきたいず思いたす。







 

掻動分野 新しい瀟䌚の䟡倀創造における犏祉の果たせる圹割

発揮したむンタヌミディ゚むタヌのマむンドセット

 □分法思考倚元的思考

 □゚ンパシヌ胜力

 ☑倚様性・耇雑性の蚱容

 □゚ンパワリング胜力

 □察話胜力

 ☑物語り胜力

 ☑゚ンゲむゞメント胜力



 

Certified Intermediator


北川雄史

瀟䌚犏祉法人いぶき犏祉䌚

専務理事


1969幎京郜垂生たれ、神戞育ち。筑波倧孊第二孊矀人間孊類卒。倧日本印刷株匏䌚瀟に3幎間圚籍。瀟䌚犏祉士取埗埌、1997幎に瀟䌚犏祉法人いぶき犏祉䌚に入職。障害犏祉に携わるようになる。埓来の犏祉の枠にずどたらず、犏祉の぀よみをいかした商品開発や、地域のモノづくりのネットワヌク掻動などにも積極的に取り組む䞀方、最重床の障害のある人の瀟䌚参加、いのちの問題などを医療・教育ず連携しながら向き合い぀づけおいる。共同著曞に「ねこずmaruずコトコト障害のある人の「働く」を぀くる」きょうされんKSブックレット。

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