個人情報保護への取組みを通じて成長できたこと

最終更新: 2月17日

和田 由美子 株式会社コスモピア ジェネラルマネージャー

#個人情報保護 #Pマーク #チーム力 #自律化支援 #共同学習 


一人に頼りきっていた脆弱なシステム

 当社には登録型のスタッフを含め、正社員以外の派遣、契約社員が大勢いる。それらスタッフの募集、面接、採用、退職に至るまでの過程において、多くの個人情報を扱う。そのため2007年よりプライバシーマーク(Pマーク)を取得している。私は取得当時より社内の個人情報保護管理者という役割を担っている。ただ、実際には当初より「事務局担当」のAさんが運用をすべて担っていた。


 特に管理部門の社員が多くを取り扱う個人情報については、個人情報の特定やそのリスク分析のために、管理部の社員からヒアリングをする必要がある。それに加えて、社員の教育も監査の準備も、更新の手続きも、本当にすべてをそのAさんが行っていた。


 しかし数年前、そのAさんがお客様先に常駐するという人事異動が決まった。私は個人情報管理者ではあるものの、細かい作業は完全にAさんに任せていたので、細かい運用プロセスを理解できていないこともある。すっかり頼り切っていたことに、いまさらながら不安を感じた。それは多くの個人情報を実際に扱っている管理部門の社員も同様だったに違いない。




本来の個人情報保護とは 危機感から生まれた共同学習の場

でも悩んでいても仕方がない。さらにその当時、2年に1度の更新時期も迫っていたので、やるしかないと社内の関連社員に声をかけ、改めてPマーク関連の作業、特に更新のための準備に取りかかった。まずは改めて社内にある個人情報を把握することから始めたが、実際に個人情報を扱う管理部のメンバーが、自分が扱う個人情報を特定することさえあやしい状況だった。


 確認作業中、「今までは何も考えず、Aさんの指示通り、いう通りに、〇〇していたから、どんな目的のため、何をしていたのかさっぱりわかっていなかった」という言葉が何度も発せられる。本当に理解できていないまま進めていたのだ。「理解できていない」というより「理解させてもらえないまま」というほうが正しいかもしれない。しかしAさんはAさんなりに、忙しい管理部門に負担がかからないようにと、自身がその部門の業務を理解することで円滑に社内の個人情報を保護する役割を担ってくれていたのだから、感謝こそすれ責めることはできない。


 しかし実際には、これでは本来の個人情報保護にはならないし、正しい個人情報のマネジメントシステムの運用ができているわけではない。万が一事故が発生した時に「何もわかりません」では言い訳にならない。危機感を感じた。


 そこで、管理者として私は、社内の関係者が個人情報そのものについて、またそれぞれが常に業務上、どんな個人情報を扱っているのかを振りかえるための時間をつくった。さらに理解のための学習の機会を設けた。ひとつひとつ丁寧に、それぞれが一生懸命に、個人情報とPMS(個人情報保護マネジメントシステム)に向き合った。



他律から自律へ

 そして共に学習を重ねていくうちに、みな自信を持って与えられた役割を担い、業務を遂行していくことができるようになっていった。今年は7回目の更新のタイミングだ。更新作業のため、みんなが「ただただ言われるがまま」行っていた作業を、自覚を持って進めていくのを目のあたりにした。


 過去は私とAさんだけで対応していた現地審査。ついに今年の現地審査時は、必要に応じて各担当者が審査員に対峙した。審査員からの質問には、スラスラとそれぞれが自信を持って回答していく。誰かに頼ることなく、みな自分の役割を担っていく。他律から自律への変化を実感した瞬間だった。


 個人情報は大きなリスクと隣り合わせだからこそ緊張感を持って扱うべきであり、常に振り返りが必要だ。そのため、今まで紙で管理していた複数のチェックリストはIT化し、担当者の作業しやすい環境が整えられた。Aさんの異動という偶然に端を発した今回の取り組みは、私自身のエンゲイジメントの促進を実感する良い機会にもなった。


活動分野: 社内チームの活性化 / チーム力の醸成

発揮したインターミディエイターのマインドセット:

□3分法思考/多元的思考

☑エンパシー能力

□多様性・複雑性の許容

☑エンゲイジメント能力

☑エンパワリング能力

☑対話能力

□物語り能力


Certified Intermediator


和田 由美子

株式会社コスモピア

ジェネラルマネージャー

大学卒業後、大手総合商社を3年で退社。その後、学生時代にアルバイトをしていた株式会社コスモピアに入社し、企画制作部門、パソコンスクールの校長職を経て、現在はITソリューション、特に大手企業や中央省庁の情報システム部門を得意先とする客先常駐型ヘルプデスク業務の運営管理に従事。また社内では個人情報管理者を始め、ワークスタイルの変革におけるIT化(社内システムのクラウド化)やペーパレス、テレワーク推進を担当。


◎株式会社コスモピア

http://www.cosmopia.jp/



「インターミディエイター」は設樂剛事務所の登録商標です

©  SHIDARA & ARCHIPELAGOs  2015

  • Facebook Social Icon
  • Twitter Social Icon