Collaborative Management ~ショールーム体制再構築から希望的進展へ~

最終更新: 2018年11月30日

渡辺利江 株式会社コスモピア ジェネラルマネジャー


#コミュニケーション #チーム #ショールーム #メーカー #コラボレーション #信頼 #共感 #共同学習 #場 #コスモピア #渡辺利江 見えざる危機と現場で見えてきたこと


 2016年、今からちょうど2年ほど前。2011年からコスモピアで運営を行っている、某メーカーのフラッグシップ的なショールームにおいて、人員体制や現場でのマネジメントなど、緊急に様々な立て直しが必要となる事態が起きていた。


 私は、同業務受託時の立ち上げは担当していたが、その後は担当から外れており、現場の詳細状況は把握していなかった。ある日、当社の担当役員から再び同現場の担当を命じられた。


 現場に行ってみると、ショールーム全体のムードが暗く、スタッフの笑顔はなかった。私に対するスタッフの接し方にも距離を感じた。また、控室やバックヤードを兼ねている事務室の中は、書類や備品等が雑然としており、スタッフのマインドも現場の環境もひどく荒れている印象を受けた。現場で何が起きているのだろうか。


 現場に通い始めてまず感じたことは、スタッフ同士のコミュニケーションが少なく、協力し合って業務を行う様子が見られない。また、経験の長いスタッフ達は、高度な専門知識もあり、それなりに上手に接客を行っているが、スタンドプレー的で話しかけにくい雰囲気を漂わせていた。スタッフの統制が乱れ、チームとしての一体感を感じることができない状況だった。


 スタッフと私のあいだに感じた遠い距離感は、現場から離れてマネジメントを行う本社と現場スタッフとの距離によるものだと直感した。現場はプロジェクト開始時から数年の間、特に大きな問題もなく、概ね順調に運営が遂行できていると思われていたが、実は、状況は大きく変化していたのだ。


 体制構築やマネジメント等において、本質的な問題に気づくことなく表面的なマネジメントに留まっていたことで、溜まっていた不満や不安や不足が一気にあふれ出していた。当然、この状況を不安視するクラインアントからも、本社や現場に対する信頼を失いかけていたほどの状況だった。



信頼の回復とさらに共感へ


 問題は山積みだったが、体制の立て直しにあたり喫緊の課題は、自身を含める本社と現場、現場のスタッフ間、そしてクライアントと現場ならびに本社との3者の関係における相互信頼の回復だった。


 当面、私はできる限り毎日現場に通うことにした。なるべくスタッフよりも早く現場に行って終業時間まで現場にいることを心がけた。スタッフをはじめ、現場に常駐されているクライアントの現場責任者ともコミュニケーションの頻度を増やした。日々の現場やスタッフの状況、クライアントからの要望や懸念事項等の把握に努め、直ちに改善や解決に向けてスタッフやクライアントと会話ができる体制を整えた。


 最初に行った現場改善プロジェクトは、雑然としていた事務室やバックヤード、備品棚やロッカー等の清掃と整備だった。どうしたらもっと使いやすくなるか、どんなものが不要で、どんな環境にしたいかなどをスタッフからヒアリングし、皆んなで話し合った。それらをクライアントに提案し、溜まっていた書類や不要なものの廃棄などにより、かなり事務室内は快適になった。整然とした環境への変化に、スタッフからは「気持ちがいいですね」「これだと分かりやすい」などの声が聞かれ、その後、自主的に室内の清掃整備を行ってくれるスタッフもでてきた。あらためて本来の現場があるべき姿、目指す方向などを、まずは自分たちの現場環境の整備という共同作業から共感できたのではないかと思う。



チームワーク再生とチーム力による業務推進


 チームワークの再生については、スタッフ間の「開かれた対話の場づくり」と、同じ方向性の共有、そして双方で協力し合う体制づくりを目指した。例えば、お客様とのコミュニケーションや日々開催するイベントの諸課題については、スタッフ皆んなで施策等について話し合う機会を設定した。意見を出し合い、立場に関わらずスタッフたちが目線を合わせて意見を調整しあい、実行を推進していけるようにサポートした。また、チーム全体の月次目標や役割分担を明確にして、日々の実績数についても共有を励行。チームで最大限の成果をつくりだすムードを創出した。


 次第にスタッフのモチベーションも上がり、自発的に動くスタッフも現れ、チーム全体としての結束力も高まった。日々の販売実績やイベント動員数は着実に数字を延ばし、約半年後には当初の2倍近い数字を実現した。


 その他、スタッフの自主的な発案による学びの機会も増やした。スタッフの要望や現場のニーズに対応してスタッフらが学びたいテーマを設定し、終礼時の知識共有をはじめ、終業後の勉強会も月次で定例化した。


 これらの諸施策や体制の改善、実績等については、クライアントからも評価され、現場ならびに本社への信頼回復の改善に繋がったと感じている。さらなる目標は、クライアントとの関係においても、委託と請負という垣根を超えて、同じ志をもったワンチームの協力推進体制を構築することである。



活動分野: Collaborative Management

発揮したインターミディエイターのマインドセット:

□3分法思考/多元的思考

☑エンパシー能力

☑多様性・複雑性の許容

☑エンゲイジメント能力

☑エンパワリング能力

☑対話能力

□物語り能力


Certified Intermediator


渡辺利江

株式会社コスモピア 

ジェネラルマネジャー

武蔵野音楽大学ピアノ科卒業。大学在学中より自宅にてピアノ教室を主宰。20代半ばに株式会社コスモピアに入社、営業・制作担当として従事し現在に至る。IT関連企業等のショールームや官公庁関連施設の運営管理をはじめ、親子向け科学教育や初心者向けのパソコンに関する書籍制作、製品パンフレットや記事制作等の企画制作ディレクション、展示会やイベント等の企画運営、各種事務局運営など幅広い業務に携わる。

http://www.cosmopia.jp/




Editor

福田 容子

「インターミディエイター」は設樂剛事務所の登録商標です

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