きっかけは「はっこうちゃん。」~偶発するコラボレーション~

はっこうちゃん。(frascope株式会社 代表取締役)


#発酵 #味噌づくり #日常アーティスト #生活 #はっこうちゃん




自分らしく多元的に思考するために


 「発酵」の楽しみのひとつに、地域ごとに異なる発酵食がある。ひまを見つけては「発酵の旅」へ行き、自分の中に発酵関連の見識やネットワークを広げはじめたのが約10年前。例えば、発酵半島と呼ばれる能登半島へ夏と冬に分けて訪ねて、魚醤、かぶらずし、日本酒などの発酵の様子を見学していった。次のステップは、体感した発酵の感動をいかに共有するかだ。


  まずは、わかりやすいところからと、味噌づくりワークショップを行うようになった。「手前味噌」とは良く言ったもので、参加者全員が自分の味噌が一番だと思える幸せなワークショップで、開催する度に自分も元気をもらう。一方で、プロの料理人が教える発酵系ワークショップに参加する度に、その領域に自分が入れるかどうか不安になっていた。いかに自分らしく、発酵の楽しさを共有できるのだろうか。「料理を生業とする発酵人」と「生活者としての発酵研究人」の「あいだ」の可能性は何だろうか。



「はっこうちゃん。」、名付けのエンゲイジメント力

 

 味噌づくりワークショップがきっかけで、和歌山のアートプロジェクトの実行委員長と知り合いになった。彼女は画家であると同時に、アートを通して地域を活性化することに情熱を注ぐ人だ。和歌山は梅干しだけでなく、味噌の原型とされる金山寺味噌の日本におけるルーツ、魚のなれずしがさかんで、多くの発酵文化が育まれた場所である。


 「発酵プロジェクトをアート・イベントでやってみない?」と声がかかった。聞けば、「日常アーティスト」という枠があるという。アートを生業としているアーティストとは別に、生活にアートを取り入れている人達のこと、である。


 参加が決定して、はじめにおこなったのは、自分のニックネームを決めることだった。「発酵」を軸に有機的に仲間づくりをしたり、共同学習をしたり、共同進化をしたい。共に発酵で遊ぶ機会を増やし、エンゲイジメントを促進するという想いを込めて、「はっこうちゃん。」と名付けた。共有したい価値である「はっこう」と、上下の関係ではなく親しみやすさのある「ちゃん」、遊び心のある「。」を組み合わせた。想像以上にこのIDは受け入れられ、覚えてもらえた。和歌山に行けば、皆が私のことを「はっこうちゃん。」と呼ぶ。


 地元の醤油屋さんとコラボレーションして醤油づくりワークショップ、地元の柑橘を使った「さしすせそ」発酵メニューを看板にした海岸カフェ開催、さんまのなれずしのワークショップやトークショー、小学校の校庭で地産地消の素材やエネルギーを活用したピザのワークショップなど、毎年新しいことに取り組んできた。「はっこうちゃん。」という親しみやすい呼び名をきっかけに、発酵という共有価値を通して対話が生まれ、偶発的な助け合いの結び目により、新しい企画が成立してきた。プロジェクトを通して新しいアイデアが生まれ、さらに結び目が生まれるという楽しい体験を重ねてきた。



共に結びあっていく発酵の物語づくりへ

 

 「はっこうちゃん。」として積極的な参加をしていく上で、出来ることは多く残っている。「料理を生業とする発酵人」と「生活者としての発酵研究人」の「あいだ」に「日常アーティスト・はっこうちゃん。」という立ち位置で毎年実験を行ってきた。しかし、単発的出来事をイベント的に行うだけでは、常時接続時代の今日では不十分だ。共同学習と共同進化を促していくには、特に不足していた語り部の側面を鍛え、共に結びあっていく発酵の“物語づくり”に積極的に参加していきたい。実は、「料理を生業とする発酵人」と「生活者としての発酵研究人」の「あいだ」に、「半人前の発酵遊び人」がいても悪くないと思っている。そこに、今はまだわからない「はっこうちゃん。」のイノベーションが潜んでいるかもしれない。





活動分野: 思考起点としての「発酵」の探求

発揮したインターミディエイターのマインドセット:

 ☑3分法思考/多元的思考

 □エンパシー能力

 □多様性・複雑性の許容

 □エンパワリング能力

 ☑対話能力

 □物語り能力

 ☑エンゲイジメント能力



Certified Intermediator


はっこうちゃん。

frascope株式会社

代表取締役


東京都生まれ。発酵現象は微生物がおりなす芸術だと感じている発酵研究人。発酵の原点は「食べることが、好き」。中学時代は朝食の味噌汁、高校時代は部活の合間にレーズンから酵母を起こし、パンを作ることが生活の一部になっていた。

社会人になってから、美と健康に関わるグローバル企業にてブランディング・マーケティングに従事。中国・フランスにも駐在し、ダイバーシティへの理解を深めた。

のち、独立。「発酵」を思考起点として捉えて、”食のワークショップ”だけでなく、”発酵するブランディング”、”発酵する対話”、”発酵するライフスタイル”を探求している。






「インターミディエイター」は設樂剛事務所の登録商標です

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