女性応募者の共感を生む採用コミュニケーション

最終更新: 2018年12月7日

アラキアキ ハミングバード代表 バリュートレンスレイター


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#アラキアキ


女性社員の比率を上げたい


  2015年に女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)が制定され、女性が働きやすい環境が広がっていますが、2010年はまだ今ほど多様な働き方が浸透していない状況でした。


  米国IT企業のA社は、当初からダイバーシティ&インクルージョンを推進していました。日本法人では他国と比較して女性の役員が少なく、ダイバーシティのレベルが低いことが課題になっていました。ある日、採用担当者から「女性リーダーの採用を増やせるように協力して欲しい」と相談がありました。よく聞いてみると、IT業界に働く女性が少ない、魅力ある職場とのイメージが浸透していないなどの現状が浮かび上がってきました。




イキイキと働く女性社員と働きやすい仕事環境


  A社 日本法人で広報を担当していた私は、企業(人事部門)と応募者の女性のあいだにいる立場として、どんなコミュニケーションをすれば企業に魅力を感じて応募したいと思うのかを考えてみました。自分がどんな企業で働きたいのか?と考えると、真っ先に思い浮かぶのは、性別に関係なく社員がイキイキと働いていたり、ライフステージに合わせて柔軟な働き方が選択できたり、女性が活躍できる環境にある企業です。


  このような要素を踏まえて、社内外で活躍している女性社員のプロファイル、働きやすい仕事環境を軸にコミュニケーションをしていくことにしました。活躍している女性社員のプロファイルは、女性の管理職のみならず、多層的にイキイキと働く女性を伝えるようにしました。R&D部門に応募する女性が増えるように理数系大学出身の女性(いわゆるリケジョ)、子どものいる女性、女性社員向けのオフ会を統括している女性など、多様なバックグラウンドを持つ女性をPRしたのです。


  また、A社は、自社テクノロジーを活用したリモートワークのソリューションを持っていることが他社にはない価値であり、本社移転を契機に整えられた働きやすいオフィス環境が体感できることは大きな進展でした。



想定外に難航した女性社員の選定


  思いがけず難航したのは、活躍している女性社員の選定でした。


  まずは人事部に協力してもらい、こちらが提案した条件で女性社員をリストアップしてもらいました。ところが、人事部が把握しているデータは出身大学や家族構成などの静的な情報なので、エピソードやストーリーがあまりわからないのです。管理職以外の女性社員の人選はなかなか進みませんでした。


  そこで、視点を変えて、人事部ではなく、より社員の情報を持っている現場のマネージャーにヒアリングしてみることにしました。すると、日々の仕事のエピソードも含めて、さまざまなエピソードを発掘することができたのです。


  あるR&D部門の女性社員は、自宅にサーバーを複数台持つバリバリのエンジニア肌のリケジョでありながら、週末は趣味のバイオリンでオーケストラ演奏をするという意外性を持っており、メディアからのオファーも多い存在でした。また、移転した本社のオフィス環境に関する取材は、必ず女性社員が対応するようにしました。お笑い芸人のノンスタイルさんがA社の会社訪問をする日曜日のバラエティ番組の企画では、マーケティング部門や管理部門の女性社員に協力を依頼し、社内を案内してもらいました。



共感を生む採用につながるコミュニケーション


  このように、さまざまな女性社員がメディアを通じて紹介され、同時にA社の社長が「働きやすい企業」や「女性の活躍」に関するシンポジウムや講演で積極的に登壇していきました。それらの積み重ねから、A社が「女性がいきいき活躍する会社」「働きやすい会社」とのイメージは少しずつ浸透したようで、A社に応募する女性の人数は徐々に増えていきました。多様な女性が活躍する姿を見て、一緒に働きたいと共感する女性が増えたのではないかと思います。


  昨今、採用がなかなか難しいと言われています。社長や管理職のみならず、多様な社員の存在を通じて、共感を生む採用コミュニケーションを展開することでブレイクスルーが生まれるのかもしれません。






活動分野: リクルートにつながるストーリテリング

発揮したインターミディエイターのマインドセット:

□3分法思考/多元的思考

☑エンパシー能力

□多様性・複雑性の許容

□エンゲイジメント能力

□エンパワリング能力

☑対話能力

☑物語り能力


Certified Certified Intermediator


アラキ アキ

ハミングバード代表

バリュートレンスレイター


京都府生まれ。幼少期を海外で過ごす。

大学卒業後、12年間の日本マイクロソフトでのコーポレート・コミュニケーションを経て、外資系食品・飲料会社のCEOコミュニケーション、日米企業による合弁会社の設立コミュニケーションやインナー・ブランディングに携わる。IT業界における経験が長く、ITの関わるコミュニケーション活動、新たな価値観を創るコミュニケーションを得意とする。

また、日本の「調和」を重んじる文化を次世代に伝承する活動も精力的に行い、日本の食文化・生活文化をテーマにしたセミナーを各地で開催。

https://www.humbird.biz



Editor

福田 容子

「インターミディエイター」は設樂剛事務所の登録商標です

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